コーポラルマイムは現代マイムの祖、エティエンヌ・ドゥクルー(1898〜1991)がつくり出した肉体表現です。
壁や綱など、人間の行動を切りぬいたいわゆるパントマイムとは異なり、肉体のパーツを一度分解し、それを再構成して、象徴的なフォルムをつくることで、人間の心理を表現しようとしました。
私の師、西森守は1966年パリに渡り、ヴォルフラム・メーリング率いる
テアトル・ド・ラ・マンドラゴールの唯一の日本人座員としてマイム芸術に携わりました。
帰国後はコーポラルマイムをもとに、日本の「能」の世界観や、歩行技術、呼吸と肉体の調和、ディナミズムの表現法、時間/空間のつかい方、キャラクターの表現、アンサンブルの表現、仮面と肉体の変化などを日本人の視点から掘り下げ、新たな肉体言語(ミーム)をつくり出し、その後、テアトル・ド・ラ・マンドラゴール東京を主宰し、様々なミーム作品に挑みました。
2005年に師は指導者の立場を離れ、現在は新たな歩みを進めています。